技術部

実施設計者
- 建築・設計の仕事を始めたきっかけは?
- 小さな頃、親の仕事にくっついていく機会がありました。そこで目にしたのが、大きな製図板に向かって真剣に作業をしている女性の姿。父親など男性が製図をしている姿は見慣れていたのですが、女性がその仕事をしているのがとても新鮮で、そして何より「かっこいい」と感じたのを今でも覚えています。
小学校の卒業文集には「将来の夢:建築士」と書いていて、そこから気持ちがブレることはありませんでした。きっかけは小さな憧れかもしれませんが、それが今の仕事へとつながっていることを思うと、人生って不思議で面白いなと思います。 - あなたの担当する仕事を教えてください。
- 私の仕事は、家を建てるための“許可”をとること。そして、その家がきちんと安全に建てられるかどうかを“計算”することです。
許可といっても内容はさまざまで、法律や地域ごとのルールに合っているかをチェックし、行政機関に書類や根拠をしっかり提出します。また、家の骨組みや断熱性能、エネルギーの使い方などを数値で確認して、安心して住んでもらえるように準備を整える役割です。
お客様と直接関わる場面は少ないかもしれませんが、ずっと快適に暮らせる家をつくるための、大切な土台を支える仕事だと思っています。 - 実施設計で気を付けていることは?
- 「気を付ける」というより、「こうありたい」と思っていることがあります。それは、知識を常に深めていくこと。知識がないと、できる提案も限られてしまいます。
でも、学び続けることで、建てる前のプラン段階からリスクを減らせたり、より良い選択肢を示せたりします。たとえば法律や性能の知識があれば、「こんな間取りでも安全で快適に暮らせますよ」とご提案できるんです。だから私は、知らないことをそのままにせず、ひとつひとつ学んで、自分の引き出しを増やすことを大切にしています。それが、お客様の安心にもつながると信じています。 - お家を見るときのポイント・気になっちゃうことは?
- やっぱり、家の性能にかかわる部分が気になりますね。たとえば、断熱材の厚みや種類、窓(サッシ)の配置や数、柱の位置やバランスなどです。これらは見た目ではなかなかわかりませんが、住んでからの快適さや耐久性に大きく関わってくる部分です。
なので、住宅展示場や他のお家を見に行っても、つい「この柱の位置はなぜこうなんだろう?」とか「断熱材は何を使っているのかな?」と気になってしまいます。お客様にもぜひ、見た目だけでなく“中身”も気にして見ていただけたら、より良い家づくりにつながるのではと思っています。 - この業務が好き!というものを教えてください。
- 申請業務は、たくさんのルールや書類に囲まれている分、地味で大変そうなイメージを持たれるかもしれません。でも私は、提出した書類が無事に通って「確認済証」などの許可が交付された瞬間が、とても好きなんです。頑張って準備してきたものが認められたという達成感があるからです。特に難しい申請ほど、無事に通ったときの喜びも大きいですし、「これでやっと家づくりが本格的に進められる」と思うと、お客様の未来の暮らしに少しでも貢献できたようでうれしくなります。